「プロジェクトのタスク管理、Excelやスプレッドシートだと限界かも…」と感じたことはありませんか?かといって、高機能な有料ツールを導入するのは少しハードルが高いですよね。
そんな方におすすめなのが、オープンソースのプロジェクト管理ツール「Redmine(レッドマイン)」です。自前のサーバーにインストールすれば、無料で高機能な管理環境を構築できます。この記事では、サーバー初心者の方でも分かりやすいように、Redmineのインストール手順を丁寧に解説していきます!
✅ Redmineを自前で持つメリットは?
- コストゼロ: ソフトウェアのライセンス費用は無料です。
- 高いカスタマイズ性: 豊富なプラグインで、自分たちのチームに合った機能を追加できます。
- データ管理: 外部のサービスに依存せず、自分たちのサーバーでデータを安全に管理できます。
✅ 今回のゴール
この記事では、広く使われているサーバーOS「CentOS」に、Redmineをインストールして、ブラウザからアクセスできるようになるまでを目指します。
ステップ1:サーバーの準備と必要なツールの導入
まず、Redmineを動かすために必要な「部品」をサーバーにインストールしていきます。料理でいうところの、食材や調理器具を揃える下ごしらえの段階です。
以下のコマンドを順番に実行してください。
# 便利なツールが入っている場所を追加
yum install -y epel-release
# プログラムを作るための基本セットを導入
yum groupinstall -y "Development Tools"
# Redmine本体や関連ツールで必要になるものをまとめて導入
yum install -y openssl-devel readline-devel zlib-devel curl-devel libyaml-devel mysql-server mysql-devel httpd httpd-devel ImageMagick ImageMagick-devel ipa-pgothic-fonts
ステップ2:プログラミング言語「Ruby」のインストール
Redmineは「Ruby」というプログラミング言語で作られています。今回は、Redmine 2.5.3が指定する「バージョン2.0.0」を正確にインストールします。バージョン違いはエラーの原因になるので、しっかり確認しましょう。
# Rubyの設計図をダウンロード
curl -O [http://cache.ruby-lang.org/pub/ruby/2.0/ruby-2.0.0-p648.tar.gz](http://cache.ruby-lang.org/pub/ruby/2.0/ruby-2.0.0-p648.tar.gz)
# 設計図からRubyを組み立てて、サーバーに設置
tar zxvf ruby-2.0.0-p648.tar.gz
cd ruby-2.0.0-p648
./configure --disable-install-doc
make
make install
# きちんとインストールできたかバージョン確認
/usr/local/bin/ruby -v
次に、Rubyの便利な機能を管理するためのツール「Bundler」をインストールします。
# Rubyの機能を管理する「gem」自体を新しくします
/usr/local/bin/gem update --system --no-rdoc --no-ri
# Bundlerをインストール
/usr/local/bin/gem install bundler --no-rdoc --no-ri
ステップ3:データベース「MySQL」の準備
Redmineは、チケットやプロジェクトの情報などを「データベース」に保存します。ここでは、Redmine専用の保管場所と、そこにアクセスするための専用ユーザーを作成します。
# MySQLに管理者としてログイン
# mysql -u root -p
# 以下のSQL文を順番に実行
create database db_redmine default character set utf8;
grant all on db_redmine.* to user_redmine@localhost identified by '好きなパスワードを設定';
flush privileges;
exit;
ステップ4:Redmine本体のインストールと設定
いよいよ主役であるRedmineをサーバーに設置します。
# Redmine 2.5.3をダウンロード
curl -O [http://www.redmine.org/releases/redmine-2.5.3.tar.gz](http://www.redmine.org/releases/redmine-2.5.3.tar.gz)
# 展開して分かりやすい場所に配置
tar xvf redmine-2.5.3.tar.gz
mv redmine-2.5.3 /var/www/redmine
次に、先ほど作成したデータベースに接続するための設定などを行います。2つの設定ファイルを編集(または作成)してください。
1. データベース接続設定 (`/var/www/redmine/config/database.yml`)
production:
adapter: mysql2
database: db_redmine
host: localhost
username: user_redmine
password: "先ほど設定したパスワード"
encoding: utf8
2. メール通知などの設定 (`/var/www/redmine/config/configuration.yml`)
production:
email_delivery:
delivery_method: :smtp
smtp_settings:
address: "localhost"
port: 25
domain: 'あなたのドメイン名'
rmagick_font_path: /usr/share/fonts/ipa-pgothic/ipagp.ttf
設定が終わったら、Redmineが必要とするRubyの機能をBundlerで一括インストールし、データベースに初期データを作成します。
# Redmineのディレクトリに移動
cd /var/www/redmine
# 必要な機能をインストール
/usr/local/bin/bundle install --without development test --path vendor/bundle
# データベースにRedmine用のテーブルなどを作成
/usr/local/bin/bundle exec rake generate_secret_token
RAILS_ENV=production /usr/local/bin/bundle exec rake db:migrate
ステップ5:Webサーバー「Apache」との連携
最後に、ブラウザからのアクセスを受け付けるWebサーバー「Apache」と、Redmineを連携させます。この連携役として「Passenger」というツールを使います。
# Passengerをインストール
/usr/local/bin/gem install rack -v=1.6.4
/usr/local/bin/gem install passenger --no-rdoc --no-ri
# Apacheと連携させるためのモジュールをインストール
/usr/local/bin/passenger-install-apache2-module
モジュールのインストールが終わると、画面に設定内容が表示されます。それをコピーして、`/etc/httpd/conf.d/passenger.conf` というファイルに貼り付けてください。
そして、Redmineにアクセスするためのドメイン設定を行います。`/etc/httpd/conf.d/redmine.conf` というファイルを作成し、以下のように記述します。
<VirtualHost *:80>
# あなたがRedmineで使いたいドメイン名
ServerName redmine.your-domain.com
# Redmineの公開ディレクトリ
DocumentRoot /var/www/redmine/public
<Directory /var/www/redmine/public>
AllowOverride all
Options -MultiViews
Require all granted
</Directory>
</VirtualHost>
仕上げに、ファイルの所有者をApacheに変更し、Apacheを再起動します。
chown -R apache:apache /var/www/redmine
service httpd restart
お疲れ様でした!これで、設定したドメイン(例: `http://redmine.your-domain.com`)にブラウザでアクセスすると、Redmineの初期画面が表示されるはずです。
まとめ
今回は、自前サーバーにRedmineをインストールする手順を解説しました。少し手順は多いですが、一つ一つ進めていけば、誰でも自分だけのプロジェクト管理環境を構築できます。ぜひ、あなたのチームの業務効率化に役立ててください!
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