Webサイトのコードやデザインファイルを編集しているとき、「あ、前の状態に戻したい!」「どこを変更したか分からなくなった…」なんて経験はありませんか?そんな悩みを解決してくれるのが「バージョン管理システム」です。
今回は、昔から多くの現場で使われている信頼性の高いバージョン管理システム「Subversion(サブバージョン、略してSVN)」を使って、自分だけの専用サーバーを構築する手順を、初心者の方にも分かりやすく解説します!
✅ バージョン管理って何が便利なの?
- 変更履歴を記録: 「いつ」「誰が」「何を」変更したかが全て記録されます。
- 過去の状態に復元: ボタン一つで、いつでも好きな時点の状態に戻せます。
- チーム開発が楽に: 複数人での作業も、変更点が混ざることなくスムーズに進められます。
✅ 今回のゴール
この記事では、CentOSというサーバーOSにSubversionをインストールし、ブラウザからもアクセスできる自分専用のバージョン管理サーバーを立ち上げることを目指します。
ステップ1:必要なソフトをインストールしよう
まずは、Subversion本体と、Webサーバー(Apache)と連携させるための部品をサーバーにインストールします。料理で言えば、主役の食材と、それをお皿に盛り付けるための道具を準備するイメージです。
以下のコマンドを実行してください。
yum install -y subversion mod_dav_svn
ステップ2:ファイルの保管庫「リポジトリ」を作成しよう
次に、ファイルの変更履歴を保存しておくための、金庫のような場所「リポジトリ」を作成します。ここに、あなたのプロジェクトファイルが安全に保管されます。
# リポジトリを置くためのフォルダを作成
mkdir -p /var/www/svn
# 'myrepo'という名前でリポジトリを作成
svnadmin create /var/www/svn/myrepo
リポジトリの中には、慣習として以下の3つのフォルダを作成します。これは、ファイルを整理整頓するための「仕切り」のようなものです。
- trunk: 最新の開発版ファイルを置く場所
- tags: リリースしたバージョンなど、節目の状態を保存する場所
- branches: 新機能の追加など、一時的な作業をするための場所
svn mkdir file:///var/www/svn/myrepo/trunk \
file:///var/www/svn/myrepo/tags \
file:///var/www/svn/myrepo/branches \
-m '最初のディレクトリ構造を作成'
ステップ3:Webサーバーと連携させよう
作成したリポジトリに、ブラウザや専用ソフトからアクセスできるように、Webサーバー「Apache」に設定を追加します。「このURLに来たら、あのリポジトリを見せてね」という道案内を作る作業です。
まず、Webサーバーがリポジトリを操作できるように、フォルダの持ち主を変更します。
chown -R apache:apache /var/www/svn/myrepo
次に、`/etc/httpd/conf.d/subversion.conf`という設定ファイルを作成(または編集)して、以下のように記述します。
<Location /svn/myrepo>
DAV svn
SVNPath /var/www/svn/myrepo
</Location>
設定を反映させるために、Apacheを再起動します。
# OSがCentOS 6の場合
service httpd restart
# OSがCentOS 7の場合
systemctl restart httpd
これで、`http://あなたのサーバーIP/svn/myrepo` というURLにアクセスすると、リポジトリの中身が確認できるはずです!
まとめ
お疲れ様でした!これであなたも、自分専用のバージョン管理サーバーのオーナーです。ファイルのバックアップやチームでの共同作業が、これまで以上に安全で効率的になるはずです。ぜひ、日々のプロジェクトに活用してみてください!
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